スポンサーサイト

  • 2012.10.08 Monday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 0
    • -
    • -
    • -
    • -

    春のオムニバス 02

    • 2010.04.03 Saturday
    • 19:17
      男だからしっかりしなさい。とか
    男なのに地図も読めないの?とか
    男、男、男って。面倒だ。
    「好きだなんて言えた訳ないじゃん。」
    と言えば
    「男のくせにうじうじするなよ!」
    なんて言われる。面倒くさい。


    *春のオムニバス 02

     「で、なんで言えなかったの?」
    裕二は聞いた。
    「言えなかったもんは言えなかったんだから仕方ないじゃん。」
    孝介は頭を掻きむしりながら答えた。
    「今更好きなんて言ったって、絶対に恭子は俺のこと幼馴染としか思ってないぜ?
     答えが分かってるのにわざわざ傷つくことしにいくのは嫌だ。」
    「あーだから孝介はいつまでもモテないんだよ!」
    「うるせ。」
    暫く、孝介は不貞腐れてソファに深く座り込んだ。
    「そんな自分が嫌なら、呼び出してでも告ればいいじゃん。」
    裕二の言葉をよそに、孝介は大きくため息をついた。

     確かに自分でも、馬鹿みたいな話だと思っている。
    小学校の時から思い続けて、
    ずっとずっと、見守ってきたつもりだった。
    大学進学で、遠距離になっても構わないと思ってる。
    そこまで覚悟しておきながら、なぜか自分のなかで
    幼馴染という壁が壊せなくてあがいている。
    しかし、あがいているわりには新しい道が見えてこない。
    もう、何年もあがいているのに。

     「卒業式のピアノ、よかったよ。」
    一番伝えたいこととは少し離れた言葉をメールで送った。
    いつもの通り、2分後に返事が来る。
    「ありがと(^O^)!孝介、めっちゃ頑張って声出して歌ってたね!私のとこまで聞こえた!」
    何気ない彼女の言葉が、孝介のため息を増やす。
    「まじ?恭子が頑張ってるから俺も頑張った!」
    「そういえば、卒業式の後、後輩から告られてたでしょ?」
    「あー、あれ、俺にじゃなくて裕二にだった。」
    「なにそれ?なんかひどいっ!」
    「だろ?俺もちょっと勘違いしちゃったよ。」
    どこで居ようと、何をしていようと、変わらない。
    いつだって、頭の中で浮かぶ恭子の笑顔。
    ああ、最近、より一層綺麗になった。
    いつでも見ていたつもりなのに、いつのまにか、階段を飛び越すようにして。

     「そっかぁ・・・、他には誰にも告られてないの?」
    「ま、そうだね。恭子は?」
    「んー、2人くらいにされたけど、好きな人居るから断った(+_+)」
    胸の中では、高鳴りというより、サイレンが五月蝿く鳴っていた。
    これ以上、聞かなくて良いと思う自分と、もっと知りたいと思う自分。
    「恭子は好きな人に言わなかったの?」
    暫くの沈黙。8分後に返事がきた。
    「うん、言えなかった。私じゃつり合わないっていうか・・・」
    恭子はきっと、今、目に涙を浮かべてるだろう。
    昔からそうだった。
    意地っ張りなんだ。強がりなんだ。
    だから泣かないようにしているのが分かる。
    今、顔を合わせていなくても、そんな表情をしていることくらい、分かるんだ。
    「そうなんだ。俺も言えなかった。」
    「孝介、好きな人とかいたの?」
    「いたよ。相手は全然俺のことなんか男としてみてなかったみたい。」
    そんな時、裕二の言葉をはっと思いだした。
    もし、恭子と出逢ったころ、もっと男らしくしていたなら
    幼馴染でなく、男として見てくれていたのだろうか。
    出逢ったころなんて、毎日、泣きじゃくって
    よく恭子に守ってもらったのを覚えてる。
    中学にあがったって、なんだかんだで俺の話を聞いてもらってばかりで
    恭子はいつも隣で笑ってた。
    高校になって、お互いの距離がはかれなくて苛つく俺に対しても
    昔と変わらず、接してくれていた。
    ずっとずっと、見守っていたのは、俺じゃなくて、恭子だ。
    思えば思うほど、後悔がつのる。
    「・・・そんなこと、ないと思うよ。孝介、すっごい優しいじゃん。
     他人の弱いとことか、よく分かってて、いつも笑顔でいるじゃん。
     男の子として、それってすごく素敵なことなんじゃないかな?」
    涙が出た。
    もしかしたら、分かっているのかな、気付いているのかな。
    だから、こんなにも、俺が今、欲しい言葉をくれるのかな。

     そのあと、一緒に桜を見に行く約束をした。
    少し前の自分なら、もっと大喜び出来たかもしれない。
    でも、今は素直に笑えない。
    瞼を閉じると、ピンク色の花びらと恭子の姿がいて
    どうしようもないほどの、胸の痛みを覚えた。








    スポンサーサイト

    • 2012.10.08 Monday
    • 19:17
    • 0
      • -
      • -
      • -
      • -
      コメント
      コメントする








          
      この記事のトラックバックURL
      トラックバック

      PR

      calendar

      S M T W T F S
         1234
      567891011
      12131415161718
      19202122232425
      262728293031 
      << July 2020 >>

      ☆BBS☆

      もし、記事に関係ないことなどで 管理人(★しぃ★)に御用のある方は BBSに書き込んでくださいねー>^_^< BBSに行くにはコチラ

      ブログパーツ

      selected entries

      categories

      archives

      recent comment

      recent trackback

      recommend

      links

      profile

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      無料ブログ作成サービス JUGEM